2020.11.19 活動報告 「美しさにこだわる前歯のインプラント治療」をテーマにしたオンラインセミナーで当院院長中山が講師を務めました
インプラント治療で大切なこと、それはガチっと噛めて、何でも食べられるようになることはもちろんですが、「見た目の美しさ」にこだわることも大切です。とくに前歯においては、普段話をしたり、笑ったりした時によく見えることから、天然の歯と見分けられないレベルのインプラント治療を行うことが大切です。
今回のオンラインセミナーは、「前歯部審美領域インプラント」というタイトルのもと、美しさにこだわる前歯のインプラント治療について、全国およそ200名の歯科医師の先生方に、具体的な手順や方法などをお伝えしました。
例えばこのスライドは、患者さまの治療前の状態から、どのようなインプラント治療を行うことが適切であるか、複数の選択肢を提示し歯科医師の先生方に考えていただいた時のものです。治療を行うにあたり、治療計画を適切に設定することは極めて重要です。そのため、ベストな治療計画とその理由、さらには本ケースで採用すべきではない治療計画とその理由も、出来る限り詳しく皆さまにお伝えしました。
このスライドは、前歯のインプラント治療を行った患者さまの、術後10週間が経過した前歯の写真です。このとおり、どの歯がインプラントなのか、ほとんどの方は見分けることが難しいと思います。オンラインセミナーでは、この状態に至るまでの一連のプロセスについても、手術中の患部写真などを用いながら詳細な解説を行いました。
ところでこの写真では、歯そのものの美しさはもちろんですが、実は歯茎の凹凸の秘密も大きなポイントになっています。
ご自身の歯を失うと、元々歯の根っこが埋まっていたところの周囲の骨が、「吸収」という現象を起こしてしまいます。その結果、そこだけ歯茎がやせ細ってしまいます。この状態でインプラントを埋めてしまうと、以前のような、歯茎が隆起した自然な見た目に回復させることが難しくなります。
そこで当院では、患者さまの元々の歯の根っこを一部だけ歯茎の中に残し、その状態でインプラントを埋入することで歯茎のボリュームを保つ「ルートメンブレンテクニック」という方法を用いて治療しています。これが、歯茎の綺麗な凹凸の秘密です。
さて、このスライドには専門用語が沢山並んでいますが、ここでは前歯のインプラント治療結果の美しさを評価するための指標を説明しています。当院では、前歯のインプラント治療を美しく行うことができたかを、経験や感覚で判断するのではなく、このような複数の項目から美しさを客観的に測定するPES(ピンクエステティックスコア)を指標として、共通の尺度のもとで見た目の美しさを測定しています。ご参考までに、このケースのスコアは最高点14点に対し13点を獲得しています。
美しい前歯のインプラント治療を行うための一連と勘所をお伝えした後には、新井先生による補綴(つめ物・かぶせ物)についての講義、そして受講された先生方との質疑応答が繰り広げられ、2時間の枠を目一杯使った、有意義なオンラインセミナーとなりました。
現在では、院長中山がこれまで講師を努めた複数のオンラインセミナーの動画が世界的インプラントメーカーであるメガジェンジャパンのサイトで販売されており、時間や場所を問わずに受講いただける環境も拡充しつつあります。これら各種歯科医師の先生方に向けた活動を通じ、私たちはこれからも、審美性に優れ、患者さまの立場に立ったインプラント治療の普及に努めてまいります。